続・真夏の果実表に出す分はあんまりエチーだとなんなので、本当に書きたかった裏Ver.です <真夏の果実> レースのカーテンの内側で キミは 緑色の葡萄を 太陽に透かしながら うっとりと 見ている カーテンが揺れるたびに キミは目を細める 何を想って ため息をつく その白い指から それはまるで するすると 蔓を伸ばして キミを緑のロープで 吐息ごと 縛ってしまいそうだよ 指の隙間から 零れ落ちたひとつぶが 床に落ちて 弾んだら ピアノの音色で「ソ」の音がした 上を向いて 房に付いたままの葡萄の粒を キミは 舌で遊んで 歯を立てる 真珠のような 白い歯が小さく覗いて 葡萄の肌を 極みまで張り詰めさせる 葡萄の果実は 無言で 自分の中に 進入してくる者に 抵抗を続ける 両手のひらをボクに組まれて 首を横にそらせて うっすらと汗ばみながら 拒んだふりをする キミのように peche mignon いとしくてたまらない 小さな罪びと そしてペシェは桃にも音が似ている キミはまるで 愛らしくもエロティックな 桃のような 小さな罪びとだ 歯を立てる その速度と 同じ速さで 睫毛をあわせてゆく だめだ もう少しで 光に透けた ヘイゼル色のその瞳は 閉じたスリットの中に隠される 瞳が完全に 見えなくなる前に 剥いたばかりの 桃の果実のような その頬に Kissしよう キミの瞳を 閉じるのは ボク 果物になんて 閉じさせないよ 葡萄がプツリと弾けて 抵抗をやめた時 近づいたボクのメガネのレンズに 迸った 緑の葡萄の断末魔 「ん・・・」 うっすらと聞こえた 君の吐息の声 その声は ボクの理性の リセットボタンを押した 薄い果物の皮を歯と舌先で剥くように ボクはカーテン越しの光の下で キミを服から解き放つ うっすらと汗ばんで ほんとうに 剥きたての桃だ キミの桃の肌に やさしいふりをしながら噛り付く もう皮は剥かれているから キミは抵抗を知らない 甘い香りと 迸る 果汁で 口いっぱいになりたくて ボクと言う白くて鋭い歯を キミに深く突き立てる 夏の午後 歯を立てられて かすかな叫び声を上げる 罪びとの味がする 甘い 真夏の果実 |